モンゴリアン・デスワーム
モンゴル北部のゴビ砂漠の地下に生息し、人や動物を一瞬のうちに死に至らしめる、巨大なイモムシともミミズともつかない奇怪な生物が『モンゴリアン・デスワーム』だ。 体長50cm~1.5m、太さは人間の腕ほど、体色は赤や赤茶、茶褐色で、黒い斑点があり、眼や鼻は見当たらない。
現地の人々は、この怪物の形態が牛の腸にも似ていることから、「オルゴイコルコイ(腸虫)」と呼んでいる。 モンゴリアンデスワームの性質は極めて凶暴で攻撃的であり、近づくものには毒を撒き散らし、放電して感電死させるという。
モンゴリアン・デスワームの目撃情報
1800年代初頭、ロシア人研究チームによってその存在が確認された。 現地ではこれまで数百人が、その毒によって殺されたと言われ、目撃者や犠牲者は後を絶たないものの、」その存在は謎に包まれている。
伝えられている話では、モンゴリアン・デスワームは数メートル先から獲物に飛びかかり、口から猛毒の蒸気のようなものを発し、感電に似た衝撃を与えて、家畜や人を殺すと言われている。 危険極まりないこの怪物は、ゴビ砂漠の最南部の砂丘や谷間に穴を掘り、その内部に潜んでいるという。 そして、最も暑い6~7月の雨期の間のみ出現するという。 帝政ロシアの科学者によって発見されたデスワームの存在は、第二次世界大戦後も長期間、隠匿されてきたが、1991年に旧ソ連の崩壊によって、初めて情報が国外に流出することとなった。 それ以降、外国人がモンゴル入りができるようになり、やがてその実態の調査も可能になったのだ・・・。
1990年と1992年にチェコの動物学者によって実際に現地調査が行われた。 学者は現地で聞き込み調査を行なった結果、モンゴリアン・デスワームは実在すると確信したという。 聞き込み調査の情報によると、モンゴリアン・デスワームは体を上下左右にくねらせ、時には滑るなど、なんとも奇怪な動きをし、なぜか黄色い物に反応するという。 攻撃の際は、体を半分ほどのぞかせて飛び出し、その際口元に気泡のようなものができ、それが大きくなって破裂し、黄色い猛毒を撒き散らすという。
触れるもの、皆殺す
学者が聴取した目撃談の一例を御覧いただきましょう。
- 馬に乗っていた男がデスワームとおぼしきものを発見し、何を思ったか手に持っていた棒でデスワームを突っついた。すると、棒の先が緑に変色し、馬も男も死んだという・・・。
- デスワームの死骸を発見したとある男が、死骸を鉄板に乗せたところ、鉄板が緑に変色した。さらに、死骸をフェルトで三重に包んだところ、布地も緑色に変化し、死骸は鞣し革のように縮んだという・・・。
モンゴリアン・デスワームの正体について
死骸を見つけた男がいるのにも関わらず、『トカゲの一種』『コブラの一種』『陸棲へと進化したデンキウナギ』など、あらゆる説が唱えられているが、どれも有力な説ではなく、依然として正体は謎のままであるという・・・。
とにかく凶暴で極めて危険という事だけは分かるUMAである。
参考文献 : 未確認動物UMA大全 並木伸一郎 (Gakken)