モノス
ベネズエラ・ボリバル共和国、通称ベネズエラのエル・モノ・グランデ峡谷に棲息するという獣人「モノス」は、体長およそ1.5メートル。
全身体毛に覆われ、手が非常に長い。性格はかなり凶暴で攻撃性があり、木の棒などを武器にして、人に襲いかかるという。
モノスの主な目撃情報
公開された獣人の死骸写真
獣人モノスを最初に発見したのは、スイスの地理学者フランシス・ド・ロイスである。ロイスは1971年から1920年にかけて、鉱油の調査のため、コロンビアとベネズエラの国境付近を訪れていた。
1920年、ロイスは仲間と共に、エル・モノ・グランデ峡谷を流れるタラ川付近で、キャンプを張っていた。すると、いきなり2頭の獣人に襲われたのだ。
獣人は雄と雌で、2頭とも体長約1.5メートル、全身毛むくじゃらだった。
2頭は奇声をあげ、木の枝を振りかざして、彼らに猛然と襲いかかってきた。身の危険を感じたロイスは発砲して1頭を射殺したが、もう1頭は逃亡してしまったという。そして、ろいすは射殺した1頭の死骸を写真におさめた。
9年後の1929年、「アメラントロポイデス・ロイシ」と名づけられたその獣人の死体写真が公開された。そして、当然ながらその正体をめぐって世界中に1大センセーションが巻き起こった。
なお、1954年にも、エル・モノ・グランデ峡谷に入り込んだイギリス人ハンター、エメリノ・マルチネスが2頭のモノスに襲われている。この時、1頭がマルチネスを押し倒し、もう1頭が足をつかんで茂みに引きずり込もうとしたという。だが、彼は近くにあった岩を振り回して、モノスがひるんだ隙に逃げ出している。
正体の考察
ロイスは撮影した写真の生物を、雄のモノスだと主張している。実は、モノスはスペイン語で「サル」を意味する言葉である。そして、モノスの形態や性質がクモザルに酷似していることから、その正体は「ケナガクモザル」の変種か奇形、あるいは新種ではないか、と見られている。だが「未知の類人猿」である可能性を示唆する学者もいるのだ。
ちなみにクモザルは、中央アメリカから南アメリカ北部の熱帯雨林に棲息するオマキザル科の霊長類で、果実や木の実、昆虫などを好んで食べる。2足歩行も巧みだが、手は4本指である。尾が長く、第3の手とも言われており、その尾を使って枝渡りする習性を持っている。
モノスは可能性として本当に棲息していてもおかしくない獣人である。今でも生きているのならば、生きている映像を垣間見える日はそう遠くないのかもしれない。
参考文献 : 未確認動物UMA大全 並木伸一郎 (Gakken)