トカゲ男
アメリカ、サウスカロライナ州リード郡ビショップビルのスケープオレ沼に棲息するという暴走未確認生物「トカゲ男」。
トカゲ男の特長
目が赤く、顔は名称どおりトカゲに酷似している。
体長約2メートル。体は緑色のウロコに覆われてヌメヌメと光り、半魚人を連想させる。腕が長く、黒い爪がついた手足の指は3本。性質は凶暴で、攻撃性も高い。
ただし、1988年の一時期に出現したのみで、それ以降の目撃はない・・・。
車に襲い掛かったトカゲのような生物
1988年6月29日深夜、当時17歳だったクリストファー・デービスが、スケープオレ沼付近の草原に続く小道で、トカゲ男と遭遇した。
彼は友人尾家から車で帰宅する途中、タイヤを交換していた。その彼に向かって、草原の中を怪物が疾走してきたのだ。驚いたデービスは車の中に駆け込み、ドアをロックしてエンジンをかけた。怪物は人の形こそしていたが、目が赤く光り、腕は猿のように長く、爬虫類に酷似した頭部は異様なほど小さかった。
だが、デービスは車を発進こそさせたものの、当初は荒地を走ったため、スピードが出せない。怪物は何度も車に追いつき、ドアの取っ手をつかんで、窓の隙間から手を差し入れようとした。後ろから屋根に手をついてジャンプし、車を飛び越して、その前に降り立ったりもしたという。
やっとの思い出舗装道路に出たデービスはアクセルをいっぱいに踏み込み、一目散に自宅に逃げ帰った。帰宅したデービスは完全なパニック状態にあった。 不思議に思った父親の問いかけにも、
「怪物に襲われた!!」
と答えるのが精一杯だったという。
後に父親が車を点検した所、屋根に引っかき傷がつき、サイドミラーが奇妙な形にねじれていた。
翌日、息子から詳しい事情を聞いた父親は、郡保安官に通報した。だが、同家を訪れたリストン保安官は当初、デービスがいたずらにひっかかたか、ブラックベアなどの動物を誤認したとしか思わなかった。
ところが、その後の調査で、怪物と遭遇したのはデービスが最初ではなかった事が判明したのである。彼の事件より6日前の6月30日の晩、ジョージ・ホロマンとその友人もまた、スケープオレ沼の橋のたもとで怪物を目撃していた。
二人の証言によると、大きな目の巨大な怪物が森の中から現れ、沼の方へ歩み去ったという。そしてこの2件の報告の後も、トカゲ男の目撃事件は続いた。
命中した弾丸
トカゲ男の騒ぎはエスカレートしていく一方で、地元のラジオ局がとうとう『100万ドル(約1億2000万円)』の懸賞金をかけたため、ハンターが挙ってビショプビルという小さな田舎町に押し寄せてきた。
この大騒動の最中の8月5日、空軍基地の兵士ケネス・オレがスケープオレ沼付近でトカゲ男と遭遇し、首を傷つけられる事件が発生。ケネスは負傷しながらも銃を撃ち返し、数発がトカゲ男に命中!だが、ビクともせず平然と沼に逃げ込んだという・・・。
これ以降トカゲ男は人前に姿を見せる事は無かった・・・。トカゲ男の正体は不明なまま事件は終幕を迎えた。あの時もしかしたら、命中した弾丸が致命傷となり、沼でひっそりと息絶えたのかもしれない。
参考文献 : 未確認動物UMA大全 並木伸一郎 (Gakken)